これが基本!小学生向け自由研究テーマ15選
「自由研究、何をやればいいか全然わからない…」
「うちの子、何に興味があるんだろう?テーマが決まらない…」
夏休みの自由研究は、小学生にとっても、サポートする保護者の方にとっても、大きな悩みのタネですよね。でも、安心してください。自由研究は、なにも奇抜なアイデアや、難しい実験をする必要は全くないんです。
大切なのは、「予想する→試す→結果を見る→考える」という科学の基本的な流れを体験すること。そして、その流れを学ぶのに最適なのが、昔からたくさんの子どもたちが挑戦してきた「王道・基本テーマ」なのです。
この記事では、そんな「絶対に外さない」基本の自由研究テーマを15個、厳選してご紹介します。どれも「簡単・安全・面白い」の三拍子がそろっており、身近なものだけで挑戦できるものばかり。この記事を読めば、きっと「これならできそう!」「これ、面白そう!」と思えるテーマが見つかります。さあ、自由研究の第一歩を、親子で一緒に踏み出しましょう!
君にぴったりの基本テーマを見つけよう!
【カテゴリー1】身の回りの「ふしぎ」を発見!実験編
私たちの周りには、当たり前すぎて気づかない「ふしぎ」がたくさん隠れています。まずは、そんな身近な現象をテーマにした、科学の入り口にぴったりの実験に挑戦してみましょう。「なぜ?」「どうして?」が「なるほど!」に変わる瞬間は、最高の体験です。
1. 10円玉ピカピカ実験
この研究のポイント
汚れた10円玉が、身近な調味料で驚くほどピカピカに!結果が分かりやすく、化学変化「酸化・還元」の基本を学べます。
用意するもの
- 汚れた10円玉(数枚)
- 小皿
- 調味料(お酢、レモン汁、ソース、ケチャップ、醤油、マヨネーズなど)
- 水、ティッシュ
やり方
- 小皿にそれぞれの調味料を入れ、10円玉を浸します。
- 5〜10分ほど置き、変化を観察します。
- 10円玉を取り出して水で洗い、ティッシュで拭きます。
- どの調味料が一番きれいになったか、ビフォーアフターの写真を撮って比べます。
まとめ方のヒント
10円玉の汚れ(酸化銅)が、調味料の「酸」によって分解される「還元」という化学反応が起きたことを説明します。きれいになった順にランキングを作り、「酸っぱいものほどきれいになるのかな?」といった考察を加えましょう。
2. 氷の溶け方スピードレース
この研究のポイント
同じ氷でも、条件によって溶ける速さが全然違う!「熱の伝わり方」という、物理の基本を体感できる実験です。
用意するもの
- 同じ大きさの氷(製氷皿で作ったもの)
- お皿(数枚)
- 氷を変化させるもの(食塩、砂糖、アルミホイル、タオル、砂など)
- ストップウォッチ
やり方
- お皿に氷を一つずつ置き、一つはそのまま(比較対象)、他は塩をかける、アルミホイルで包むなどの条件を加えます。
- すべての氷が完全に溶けるまでの時間を、ストップウォッチで計ります。
- どの条件が一番早く、どの条件が一番遅く溶けたか、時間を記録して比べます。
まとめ方のヒント
タオルで包んだ氷が溶けにくいのは、タオルの「断熱」効果で外の熱が伝わりにくいため。塩をかけた氷が早く溶けるのは「凝固点降下」という現象のため、と説明します。「熱を伝えやすいもの・伝えにくいもの」について考察を深めましょう。結果を棒グラフにすると分かりやすいです。
3. いろんな紙の吸水力くらべ
この研究のポイント
どの紙が一番水を吸うのか?「条件をそろえて比べる」という、科学的な実験の基本中の基本を学べます。
用意するもの
- 吸水力を比べたい紙(キッチンペーパー、ティッシュ、新聞紙、折り紙、画用紙など)
- 水を入れた容器
- 計量カップ
- ものさし
やり方
- すべての紙を同じ大きさ(例:縦10cm×横3cm)に切ります。
- それぞれの紙の下の端を、同時に水につけます。
- 1分後、水が紙のどこまで染み上がったか、ものさしで長さを測ります。
- または、同じ量の水をこぼし、それぞれの紙で拭き取って、どれだけ水を吸えたか重さを比べる方法も面白いです。
まとめ方のヒント
紙は細かい繊維でできており、そのすき間を水がのぼっていく「毛細管現象」で水を吸います。紙の種類によって繊維の密度や材質が違うため、吸水力に差が出ることを説明します。結果をランキング形式で発表し、それぞれの紙の普段の使われ方と吸水力の関係を考えてみましょう。
4. 磁石のふしぎ発見!くっつくもの探し
この研究のポイント
目に見えない磁石の力を、家じゅうを探検しながら発見!「磁性」という性質を、遊び感覚で学べます。
用意するもの
- 磁石(棒磁石やU字磁石など、いくつか種類があると良い)
- 家の中にある様々なもの(クリップ、釘、空き缶、お金、おもちゃ、布など)
- 紙、方位磁針
やり方
- 磁石にくっつくものは何か、予想を立てます。
- 家の中にある様々なものに磁石を近づけ、くっつくか、くっつかないかを調べます。
- 結果を「くっつくものリスト」と「くっつかないものリスト」に分けて記録します。
- (発展)磁石の間に紙を挟んでも力は届くか?S極とN極では何が違うか?方位磁針はなぜ北を指すのか?などを調べます。
まとめ方のヒント
磁石にくっつく性質を「磁性」といい、鉄など特定の金属が持っていることを説明します。スチール缶はくっつくのにアルミ缶はくっつかない、など素材の違いに注目しましょう。「くっついたものは、何でできているものが多かったか」を考察し、身の回りのものがどんな材料でできているかを考えるきっかけになります。
【カテゴリー2】キッチンは実験室!食べ物で科学編
毎日食べているものにも、科学のふしぎはいっぱい。料理やお菓子作りが、そのまま面白い実験になります。美味しく学べる、一石二鳥のテーマに挑戦してみましょう!
5. 野菜の浮き沈み実験
この研究のポイント
同じ野菜でも、水に入れると浮くものと沈むものがあるのはなぜ?「密度」という大事な科学の概念を、直感的に理解できます。
用意するもの
- いろいろな野菜や果物(きゅうり、なす、トマト、にんじん、じゃがいも、りんご、レモンなど)
- 大きな透明な容器(水槽や大きめのボウル)
- 水、食塩、砂糖
- キッチンスケール(あれば)
やり方
- まず、どの野菜が浮いて、どれが沈むか予想します。
- 野菜を一つずつ、水が入った容器にそっと入れ、浮くか沈むか観察します。
- 次に、水に食塩をたくさん溶かした「食塩水」を作り、沈んだ野菜を入れてみます。どうなるでしょうか?
まとめ方のヒント
水より「密度」が大きいものは沈み、小さいものは浮く、という原理を説明します。野菜の中の空気の量などが、密度に関係していることを考察しましょう。食塩水では沈んだものが浮くのは、水の密度が食塩によって大きくなったため、と説明します。キッチンスケールで重さと体積を測り、密度(重さ÷体積)を計算してみるのも良いでしょう。
6. 切ったリンゴの変色比べ
この研究のポイント
切っておくと茶色くなってしまうリンゴ。変色を防ぐ方法を探ることで、食品の「酸化」について学べます。
用意するもの
- リンゴ
- 変色を防ぐ液体(食塩水、砂糖水、レモン汁、炭酸水、お酢など)
- 水(比較対象)
- 小皿、包丁(大人の人と一緒に)
やり方
- リンゴを同じ大きさにいくつか切ります。
- 一つはそのまま(比較対象)、他は切ってすぐにそれぞれの液体に数分間浸します。
- すべてをお皿に並べ、10分後、30分後、1時間後と、色の変化を観察・記録します。
まとめ方のヒント
リンゴが変色するのは、リンゴに含まれる成分が、空気中の「酸素」に触れて「酸化」するからです。どの液体が一番変色を防げたか、ランキング形式でまとめます。食塩水やレモン汁(ビタミンC)には、この酸化を防ぐ働きがあることを説明しましょう。お弁当作りの知恵にもつながる、実用的な研究です。
7. 混ぜるだけ!マヨネーズ作り
この研究のポイント
本来混ざらないはずの水と油が、卵を加えるだけで混ざってしまう!「乳化」という不思議な現象を体験できます。
用意するもの
- 卵黄(1個)
- お酢(大さじ1)
- サラダ油(100ml)
- 塩、こしょう
- ボウル、泡立て器
やり方
- ボウルに卵黄と塩、こしょう、お酢を入れてよく混ぜます。
- 油を、最初は一滴ずつ垂らすように、少しずつ加えながらひたすら混ぜ続けます。
- だんだんと白っぽく、とろみがついてきたら、油を細い糸のように垂らしながらさらに混ぜます。
- 全体がもったりとしたクリーム状になったら完成です。
まとめ方のヒント
水(お酢)と油のように、本来混ざり合わないものが均一に混ざる現象を「乳化」といいます。この実験では、卵黄に含まれる「レシチン」が、水と油の仲立ちをする「界面活性剤」の役割を果たしています。卵黄なしではどうなるか、比較実験をすると、卵黄の重要性がよく分かります。
【カテゴリー3】じっくり観察!生き物・自然編
私たちの周りには、たくさんの生き物が暮らし、自然は毎日姿を変えています。少し立ち止まってじっくり観察するだけで、驚くような発見が待っています。命の不思議や地球の動きを感じてみましょう。
8. アリの行列観察
この研究のポイント
いつも見かけるアリの行列。でも、よく見ると不思議がいっぱい!簡単な実験で、アリのコミュニケーションの秘密に迫れます。
用意するもの
- アリを観察できる場所(公園、庭など)
- エサ(砂糖、お菓子のかけらなど)
- チョーク、濡れた布
やり方
- アリの巣の近くにエサを置き、行列ができるのを待ちます。
- 行列の途中にチョークで線を引いたり、濡れた布で道を拭いたりすると、アリの行動がどう変わるか観察します。
- アリたちがどんな風に仲間とコミュニケーションを取っているか、予想しながら観察を続けます。
まとめ方のヒント
アリは、お尻から出す「道しるべフェロモン」という匂いを頼りに行列を作っています。道を拭くとアリが混乱するのは、この匂いが消えてしまうから、と説明します。「フェロモン」というキーワードを使って、アリの社会の仕組みを考察してみましょう。
9. ダンゴムシの迷路実験
この研究のポイント
子どもに人気のダンゴムシ。どんな場所が好きなのでしょうか?迷路実験で、その習性を探ります。
用意するもの
- ダンゴムシ
- ダンボールや牛乳パック(迷路を作るため)
- 湿らせた土や落ち葉、乾いた土
やり方
- ダンボールで簡単な迷路を作ります。
- 迷路のゴールに、片方には「湿った土と落ち葉」、もう片方には「乾いた土」を置きます。
- スタート地点にダンゴムシを置き、どちらのゴールに向かうか、何度も試して記録します。
まとめ方のヒント
ダンゴムシは、暗くて湿った場所を好む「習性」があります。実験結果から、その習性を確かめることができた、とまとめます。なぜ湿った場所を好むのか(乾燥に弱いため)まで理由を調べられると、より深い研究になります。
10. 植物の観察日記
この研究のポイント
種から芽が出て、葉が増え、花が咲き、実がなる。植物の一生を追いかけることで、生命の神秘と成長の喜びを感じられます。
用意するもの
- 育てやすい植物の種(アサガオ、ミニトマト、ラディッシュ、ヒマワリなど)
- 植木鉢、土
- じょうろ、ものさし、カメラ
やり方
- 種を植え、毎日お世話をします。
- 「芽が出た日」「葉っぱの数」「茎の長さ」「花の咲いた日」など、日々の変化を写真やスケッチ、文章で記録します。
- 「観察日記」として、一冊のノートにまとめていきます。
まとめ方のヒント
植物の成長には「日光」「水」「空気」が必要であることを、自分のお世話と結びつけて説明します。「光合成」というキーワードを使い、植物が自分で栄養を作る仕組みを調べると良いでしょう。日々の記録そのものが、素晴らしいレポートになります。
11. 太陽の動きと影の観察
この研究のポイント
影の動きを追いかけるだけで、地球が動いていることを実感できる!壮大な天体の動きを、身近なもので観測する実験です。
用意するもの
- 大きな紙(模造紙など)
- 地面に垂直に立てられる棒(ペットボトルに砂を入れたものに刺すなど)
- 方位磁針、ものさし、ペン
やり方
- 日当たりの良い平らな場所に大きな紙を置き、中央に棒を立てます。
- 朝から夕方まで、1時間ごとに、棒の影の先端の位置に印をつけ、時刻と影の長さを記録します。
- 印を線で結ぶと、影がどのように動いたかが分かります。
まとめ方のヒント
影が東から西へ動くのは、太陽が東から西へ動いて見えるからであり、それは地球が西から東へ「自転」しているため、と説明します。影の長さが昼に一番短くなることや、季節によって太陽の高さが変わること(夏は高く、冬は低い)にも触れられると、素晴らしい研究になります。
【カテゴリー4】作って試す!わくわく工作編
自分の手で何かを作り上げ、それで遊んだり試したりするのも、立派な自由研究です。作る楽しさと、そこに隠された科学の原理を発見する喜びを、両方味わいましょう。
12. 糸電話で音の不思議体験
この研究のポイント
昔ながらの遊び、糸電話。なぜ声が聞こえるのか?「音の正体」である振動を、手軽に体験できます。
用意するもの
- 紙コップ(2つ)
- 糸(タコ糸、毛糸、釣り糸など、種類を変えると面白い)
- つまようじ、キリ
やり方
- 紙コップの底に穴を開け、糸を通してつまようじで留めます。
- 糸をピーンと張った状態と、たるませた状態で、声の聞こえ方を比べます。
- 糸の種類を変えたり、長さを変えたりすると、聞こえ方はどう変わるか実験します。
まとめ方のヒント
声(空気の振動)がコップを震わせ、その「振動」が糸を伝わって相手のコップを震わせ、再び音になる、という仕組みを説明します。糸がたるんでいると振動が伝わらないことも、実験から確かめましょう。「固体・液体・気体」のうち、どれが一番音を伝えやすいか、というテーマに広げることもできます。
13. ペットボトルでトルネード
この研究のポイント
ペットボトルを2本つなぐだけで、迫力満点の渦巻き(竜巻)が作れる!「渦」の不思議な力を、安全に観察できます。
用意するもの
- 同じ形の炭酸用ペットボトル(500ml)2本
- 水
- ペットボトルをつなぐコネクター(またはビニールテープ)
- (あれば)ビーズなどの小さな浮き
やり方
- 片方のペットボトルに水を8分目まで入れます。
- コネクターやビニールテープで、もう一本の空のペットボトルと口をしっかりと繋ぎ合わせます。
- 全体をひっくり返し、上のペットボトルを円を描くようにくるっと回します。
- すると、水が渦を巻きながら下のペットボトルに落ちていく、美しいトルネードが発生します。
まとめ方のヒント
渦の中心には空気が通り道ができるため、水がスムーズに下に落ちていきます。回さない場合は、空気と水が押し合ってしまい、なかなか落ちません。この「遠心力」と「空気の通り道」がポイント。お風呂の栓を抜いた時や、台風の雲の形も同じ「渦」の仲間であることを紹介すると、身近な現象とのつながりが見えてきます。
14. 基本のスライム作り
この研究のポイント
自由研究の王様、スライム作り。ぷにぷにの感触を楽しみながら、化学変化の基本を学べます。
用意するもの
- PVA配合の洗濯のり
- ホウ砂
- 水、絵の具
やり方
- ホウ砂を水に溶かして「ホウ砂水」を作ります。
- 別の容器で、洗濯のりと水を混ぜ、絵の具で色をつけます。
- 洗濯のりの液体に、ホウ砂水を少しずつ加えながら、よくかき混ぜると、だんだん固まってきてスライムになります。
まとめ方のヒント
液体だった洗濯のりが、ホウ砂を加えることで固まるのは、化学反応の一種です。洗濯のりの成分「ポリビニルアルコール(PVA)」の分子が、ホウ砂によって手をつなぎ、網目のような構造になるため、と説明します。水の量やホウ砂の量を変えると、スライムの硬さがどう変わるか、比較実験をすると良いでしょう。
15. よく飛ぶ紙飛行機作り
この研究のポイント
どうすれば遠くまで飛ぶのか?翼の形や重心を工夫することで、飛行機が飛ぶための「揚力」や「バランス」を学べます。
用意するもの
- 折り紙、コピー用紙など
- クリップ、セロハンテープ
- メジャー
やり方
- 折り方を変えて、数種類の紙飛行機を作ります。
- それぞれの飛行機を飛ばし、飛んだ距離をメジャーで測ります。
- 翼の形を少し変えたり、先端にクリップをつけて重心を変えたりすると、飛び方がどう変わるか試します。
まとめ方のヒント
飛行機が飛ぶためには、翼が空気を受けて上向きに持ち上げられる力「揚力(ようりょく)」が必要です。翼の面積が広いほど揚力は大きくなりますが、空気の抵抗も増えます。このバランスや、機体の「重心」がどこにあるかが、安定した飛行の鍵であることを、実験結果から考察しましょう。
自由研究を上手にまとめるための共通のコツ
どんなテーマを選んでも、最後の「まとめ」がとても大切です。以下のポイントを意識して、君だけの素晴らしいレポートを完成させましょう!
1. 写真をたくさん撮ろう!:実験の準備物、途中の様子、結果など、とにかくたくさん写真を撮っておくと、後でレポートを作るときにとても役立ちます。
2. 「なぜ?」を大切に:「こうなった」という結果だけでなく、「なぜこうなったんだろう?」と考えるのが「考察」です。分からなければ、本やインターネットで調べたり、お家の人に聞いたりしてみましょう。
3. 見やすいレイアウト:タイトルを大きく書いたり、大切な言葉を色ペンで囲んだり、グラフや表を使ったりして、他の人が見ても分かりやすいように工夫しましょう。
4. 自分の言葉で書こう:一番大切なのは、自分が「面白い!」と思ったことや、「不思議だ」と感じた気持ちを、自分の言葉で素直に書くことです。君の感動が伝われば、それが最高のレポートです!
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