習い事にかけるお金、平均はいくら？【小学生編】

「うちの子、小学生になったけど、みんな習い事にいくらくらいかけてるの？」
「この月謝、平均と比べて高い？安い？うちの家計、大丈夫かな…」

お子様が小学生になると、習い事の選択肢もぐっと広がり、周りの友達が通い始めるのを見て、費用面が急に気になりだした…という方も多いのではないでしょうか。家計と教育のバランスを考える上で、「平均」という指標は、自分の立ち位置を知るための重要なコンパスになります。

この記事では、そんな悩める保護者の皆さまのために、小学生の習い事費用に焦点を絞り、最新データに基づいた「平均金額」を徹底的に深掘りします。

ただ平均額を示すだけでなく、【学年別】のリアルな費用の違い、人気の習い事ごとの詳しい【費用内訳】、そして見落としがちな【年間トータルコスト】まで、あなたが本当に知りたい情報を網羅。この記事を読み終える頃には、漠然としたお金の不安が解消され、ご家庭に合った習い事費用の「適正額」が見えているはずです。

【結論】小学生の習い事、月謝の平均総額は「約17,000円」

早速、本題の結論からお伝えします。複数の調査機関が発表している2024年〜2025年のデータを総合すると、小学生全体（1〜6年生）の子供一人当たりの習い事にかける月額費用の平均は、およそ17,000円です。

この金額を見て、「うちと大体同じくらい」と安心した方、「思ったより高い…」と驚いた方、様々だと思います。しかし、この数字だけを見て一喜一憂するのはまだ早いです。なぜなら、この「平均17,000円」という数字は、様々な要因が混ざり合った結果だからです。

実際には、学年、習い事の種類、そして通っている数（平均1.5〜2個）によって、各家庭の支出は大きく異なります。本当の意味で家計の参考にするためには、この平均値をさらに細かく分解して見る必要があります。次の章から、その内訳を詳しく見ていきましょう。

【学年別】で見る！習い事費用のリアルな変化を徹底分析

小学生と一括りに言っても、学校生活に慣れ始めた1年生と、高学年になった6年生とでは、習い事への向き合い方や必要性が大きく異なります。当然、そこにかかる費用も変わってきます。ここでは、低学年・中学年・高学年に分けて、平均費用のリアルな変化を見ていきましょう。

低学年（1・2年生）の平均費用：約12,000円

特徴：まずは「楽しむ」ことが最優先。基礎的な体づくりや、学びへの興味のきっかけ作りが中心。

小学校に入学したばかりのこの時期は、比較的費用が抑えめです。人気の習い事はスイミング、ピアノ、体操教室など。まずは一つの習い事から始め、子供が楽しく続けられるか様子を見る家庭が多いです。月謝が5,000円～8,000円程度の習い事を1つか2つ、というのが一般的なパターンです。

中学年（3・4年生）の平均費用：約16,000円

特徴：学校の勉強が少しずつ難しくなり、学習系を意識し始める時期。子供自身の「やりたい」も明確に。

低学年から続けている習い事に加え、学習塾や通信教育、プログラミング、サッカーなどを始める子供が増え、平均費用が上昇します。特に、3年生から算数で壁にぶつかったり、理科・社会が始まったりするのを機に、学習系の習い事を検討する家庭が急増。複数の習い事を掛け持ちするのも、この学年からが本格的になります。

高学年（5・6年生）の平均費用：約23,000円

特徴：中学進学や中学受験を視野に入れた学習塾の比重が圧倒的に高まる。費用もピークに。

高学年になると、費用が一気に跳ね上がります。その最大の要因は「学習塾」です。中学受験を目指す場合は、塾だけで月額4万円～6万円以上かかることも珍しくありません。受験をしない場合でも、中学校の勉強に備えるための進学塾に通う子供が多く、学習費がかさみます。一方で、他の習い事を整理して、塾一本に絞るという選択をする家庭も増える時期です。

【習い事別】人気TOP5の費用を丸ごと比較！月謝と隠れコスト

学年による費用の違いがわかったところで、次は「何に」お金がかかっているのか、習い事の種類別に費用を見ていきましょう。ここでは小学生に人気のTOP5を取り上げ、月謝だけでなく、初期費用や見落としがちな「その他費用」まで詳しく解説します。

1. 学習塾・通信教育

• 平均月謝：10,000円～30,000円（※中学受験塾は40,000円以上）
• 初期費用：15,000円～30,000円（入会金、教材費）
• その他費用：季節講習費（夏期・冬期など）、模試代、施設維持費、教材費の年度更新

小学生の習い事費用を押し上げる最大の要因。特に夏期講習や冬期講習は必須参加の場合が多く、月謝の2～3ヶ月分が別途かかることも。年間トータルコストで考えることが最も重要な習い事です。

2. スイミング

• 平均月謝：7,000円～10,000円
• 初期費用：5,000円～15,000円（入会金、指定水着・キャップ代）
• その他費用：進級テスト代（1回500～1,000円程度）、スクールバス代、イベント参加費

年間を通して費用が安定しており、比較的家計の計画が立てやすいのが魅力。ただし、選手育成コースなどに進むと、合宿費や遠征費で費用は大きく上がります。

3. ピアノ・音楽教室

• 平均月謝：8,000円～15,000円
• 初期費用：10,000円～（＋楽器代：電子ピアノ5万円～、アップライト20万円～）
• その他費用：発表会参加費（1～3万円）、コンクール参加費、楽譜代（年間5,000円～）、ピアノの調律代（年1回1.5万円程度）

最大のハードルは楽器の購入費用。最近はキーボードやレンタルで始める家庭も増えています。また、年に一度の発表会は、参加費・衣装代・花束代などで3～5万円ほどの出費になることも覚悟しておきましょう。

4. 英会話

• 平均月謝：8,000円～15,000円（オンラインは3,000円～8,000円）
• 初期費用：10,000円～30,000円（入会金、年間教材費）
• その他費用：イベント参加費（ハロウィン等）、検定料（英検など）

近年は安価なオンライン英会話の人気が高まっています。対面式はグループレッスンかマンツーマンか、講師がネイティブか日本人かによって費用が大きく異なります。教材費が年間契約で最初に一括払い、という教室も多いので確認が必要です。

5. サッカー・スポーツ少年団

• 平均月謝：5,000円～12,000円（少年団は2,000円～と安い傾向）
• 初期費用：15,000円～40,000円（入会金、ユニフォーム・ボール・スパイク等一式）
• その他費用：合宿・遠征費、チーム年会費、スパイク等の買い替え費用、保護者のお茶当番や車出しに伴う負担

月謝は安くても、道具の買い替えや遠征費など、不定期な出費が多いのが特徴。また、保護者の関与が求められることも多く、金銭的・時間的な負担も考慮に入れておく必要があります。

「月謝」だけじゃない！年間費用で考える本当のコスト

ここまで見てきたように、習い事の費用は月謝だけでは語れません。本当の負担額を知るためには、「年間トータルコスト」で考える癖をつけることが非常に重要です。

このように、月謝は10,000円でも、月平均にすると14,000円を超える結果になりました。特に学習塾の季節講習費や、芸術・スポーツ系の発表会・試合費用は大きな金額になります。入会前に「年間でかかる費用は、総額でおおよそいくらですか？」と具体的に質問しておくことが、後悔しないための最大の防御策です。

平均より高い？低い？我が家の「適正費用」を見つける3ステップ

さて、様々な平均データを見てきましたが、最も大切なのは「ご自身の家庭にとっての適正額」を知ることです。周りと比べて高いか低いかではなく、家計に無理なく、子供の「やりたい」を応援できる金額を見つけましょう。

ステップ1：家計の「教育費」上限を決める
一般的に、子供の教育費（学校外活動費）は家計の手取り月収の5%～10%が目安と言われます。まずはこの範囲で、我が家ならいくらまで出せるか、具体的な上限額を設定しましょう。この時、将来の学費（高校・大学）のための貯蓄も考慮に入れるのがポイントです。

ステップ2：子供の「本気度」と「目的」を再確認する
その習い事は、子供にとって「楽しむため」のものですか？それとも「スキルアップや将来のため」のものですか？前者であれば費用を抑えめに、後者であれば多少の投資も厭わない、といったように、目的によって予算の配分を考えます。

ステップ3：費用対効果（コストパフォーマンス）を考える
同じ月謝1万円でも、得られる経験は様々です。週1回のレッスンか、週2回か。グループレッスンか、個別指導か。送迎に時間やガソリン代はかかるか。支払う金額に対して、子供がどれだけ価値のある経験を得られるか、という視点で複数の選択肢を比較検討することが、満足度の高い選択につながります。

まとめ：平均はあくまで羅針盤。家庭に合ったプランニングが成功の鍵

今回は、小学生の習い事費用について、「平均」を軸に徹底解説しました。

「平均」というデータは、大海原を航海するときの「羅針盤」のようなものです。自分の現在地を示してくれますが、目的地（＝子供の成長と家庭の幸せ）にたどり着くためのルートは一つではありません。平均より多くても、それが価値ある投資だと判断できれば正解ですし、平均より少なくても、工夫次第で豊かな経験をさせてあげることは十分に可能です。

ぜひ、この記事で得た知識を武器に、ご家庭にぴったりの習い事プランを立ててください。